2026年 年頭のご挨拶|社長 小林 亮

2026年1月5日
株式会社 浜野製作所
取締役社長 小林亮

2026年の年頭にあたり、謹んで新年のご挨拶を申し上げます。

 

経営者として、何とか2期目に突入し、本年は会社としても来るべき50期という大きな節目に向けた重要な一年となります。昨年10月の経営計画発表会では、「失われた30年」の脱却に向かう時代の転換点に合わせて「ゲームチェンジ」を会社のスローガンに掲げました。

今、私たち町工場もまた、これまでの戦い方を根底から変えなければならない。その覚悟を込めた宣言です。

 

新年を迎え、幾つかの地形学的シナリオを念頭においていますが、大枠として確信していることがあります。それは、上流エンジニアリングを起点としたモノづくりの勝ち筋を、さらに研ぎ澄ませなければ、この東京で町工場として生き残ることはできないという現実です。

 

だからこそ、いま改めて、これまでの当たり前、製造業的な常識を根本から問い直す必要があると考えています。例えば、昨今急速に進化を遂げているヒューマノイドロボット。インターネット上に存在する膨大な動画・画像・テキストデータを学習した「AI基盤モデル」によって、従来の産業用ロボットで必須だった煩雑な経路・動作ティーチングは、言語指示へと置き換えられつつあります。ロボットの見掛け上は、片腕も双腕もヒューマノイドもあまり大差ないかもしれません。しかし、その”頭脳”は別次元へと進化し、人間と同じ言葉によってロボットを動かす時代が一気にやってまいりました。

 

私が強調するまでもなく、今後、フィジカルAIを搭載したロボットが当たり前になるでしょう。しかもそれは製造業に限った世界でもなく、繰り返しタスクが存在するあらゆる領域で、ロボットが急速にコモディティ化していくということでもあります。

 

このような大きな変革を前に、あらためて自問しています。

この東京の汲々とした場所に工場を構え、多数の工作機械を据え、人の手と知恵をかけて取り組むべきモノづくりとは、一体何なのか。従来の延長線ではなく、常識に囚われない大胆な一手を、打たなければならないと強く感じています。

 

その上で、今期、そして中長期の方向性として、メカを軸とした統合的なエンジニアリング力の実践強化、設計・加工・組立・施工を貫く製造及び管理技術の高度化、0→1創発領域における企画・プロデュース力の錬成によって、高付加価値型のモノづくりを追求してまいります。

 

イノベーションの世界には「千三つ」という言葉があります。1000の新規事業のうち、成功するのはわずか3つ。私自身の実感としても、極めてリアルな数字です。確かに、1社・1案件単体でみれば、心許ない確率かもしれません。しかし、弊社のような多種多様なお困り事をご相談いただける町工場という立場からみれば、それはものすごい高確率でドリームチケットの先行予約を託されているともいえます。

先行き不透明な時代だからこそ、これからの事業、産業、そして社会を形づくる「最初の一歩」に、モノづくりとして関われることの幸せと、同時に背負う緊張感、責任の重さを、日々噛みしめています。

 

今年の干支は「午」。千三つの”勝てそうな馬”の登場を待つのではなく、私たち自身も一緒に勝てる馬となっていく、その気概と脚力を携え、2026年も全力で駆け抜けてまいる所存です。

 

本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。


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