2023年 年頭のご挨拶

2023年1月5日
株式会社 浜野製作所
代表取締役 浜野慶一

2023年、新年を迎えるに当たり年頭のご挨拶をさせていただきます。

今年、2023年は世界中の行動・活動・状況を一変させた新型コロナウィルス感染症が始まってはや3年になります。
ワクチン・特効薬や治療方法などがなかった2020年から3年の月日が経ち
今はWithコロナの時代に入っています。
コロナに掛からない為にあらゆる活動を停止する・・・ではなく、今後はコロナとうまく
付き合いながら経済活動・日常生活を進めて行く方向です。
昨年、2022年の年頭所感では触れていなかった大きな出来事が昨年、起こりました。
2022年2月24日に起こったロシアのウクライナ侵攻です。
この侵攻が始まった事を機会に燃料費・材料費が大きく高騰しただけでなく
世界的な政治不安が起こっております。
経済安全保障は国家が考える大きな戦略である一方、国だけでなく、
大企業のみならず、中小企業も国際政治の不安定要素や
地政学的リスクを考えた上での戦略を練っていかなければならない時代となりました。

自社の技術や特性・強み・弱みなどの業界の立ち位置などのミクロ的な要素は
勿論の事ではありますが、それだけではなく世界を取り巻く経済環境・政治的要素・
地政学的リスク・エネルギー事情や為替相場などマクロ的な要素を考慮した上での
取り組みをしていかなくてはなりません。

その様な環境の中、浜野製作所の変わらないミッションは「良い会社」にして行く事です。
良い会社にして行く活動は誰の為の活動なのでしょうか?
合わせて良い会社にして行くのは誰なのでしょうか?
答は勿論、皆さん方、ご自身です。
良い会社にして行くのは浜野製作所でお働きをいただいているスタッフの
皆さんの為です。

・・・ですから皆さんご自身が良い会社にして行く取り組み・活動を自らが当事者と
なって進めて行く必要があります。
あれがイヤだ・これは出来ない・やらない・・・と言っている間に時はどんどん過ぎて行きます。
気が付いたら誰も幸せになれていない会社で良いのでしょうか?
良い会社にして行く為には時代の流れに乗る事も大切な要素です。
大きな国家であろうが、大きな企業であろうが、京都の老舗の料亭だろうが、中小企業であろうが、変化・時代に付いて行けない組織は必ず同じ結果になる事は既に歴史が証明しています。
例えばデジタル化。
今は何処へ行ってもデジタル・DX・・・と言う言葉を聞かない場面はありません。
所謂、トレンドではありますが浜野製作所はトレンド・流行りだから「やる」のではありません。

良くも悪くもコロナの影響でここ数年で世界のデジタル化が大きく変わりました。
大きく変る事によって使い勝手の良い、それなりにコストパフォーマンスの良いツールが市場に出回る様になりました。
今まで人が時間を掛けて行って来た作業もデジタル化・IT化を進める事により作業時間の劇的な短縮が出来た事例も多くあります。
勿論、人手を掛けてやらなければならない事・あえて今は人手でやった方がイイもの・直ぐにでもツールを活用するもの・・・それぞれでありますがこの辺は今年は真剣に取り組んでいかなければならない取り組みの1つになると思います。
体は1つしかありませんし、時間も有限です。
弊社は様々な取り組みをしている会社ですが54名規模では到底、やり切れない事ばかりです。

機会損失・・・と言う言葉をご存知ですか?
機会を失う事により大きな損失を被る(こうむる)事を言います。
人でしか出来ない・人だからこその技術や品質・サービス・取り組みにより一層の時間と機会を作らなければならないのです。
機械(マシーン)で出来る事やツールで出来る事に付加価値は発生しません。
人が介する事により一層の価値を創出して行く事に注力をしなければなりません。

この人がいないので機械が動かない・弊社では何も分からないし・分かりたくもないので
協力工場さんに丸投げ・ある特定の人しか出来ない個人持ちの実務・・・などを
徹底してなくしていかなければなりません。
ある人しか出来ない・この人がいないのでこの仕事が出来ない・・・と言うのは労務管理上、今後、弊社が進める働き方改革上も大きなリスクになり、そしてその事が会社を成長させる上で、皆さんのお給料を倍にして行く上で大きな機会損失を生むからです。
その事を皆さん、お一人お一人が当事者として認識し、行動に移す必要があります。

昨年の年頭所感でもお話を致しましたが企業が10年以上生き残る可能性は、6.3%に過ぎません。
逆に言えば、93.7%の確率で倒産しています。
30年後には99.975%の企業が姿を消します。
コロナ感染症の影響に関係なく起業後30年で殆どの会社が倒産してしまうのが悲しいながらの現状です。
要は創立30周年を超える会社は全体の0.025%しかない・・・と言う事になります。
つまるところ、会社が潰れることは「普通」の事なのです。
言い方を変えると「時代の変化に対応出来なければどの会社もいずれ倒産する」というわけです。
恐ろしい話ですが、それが現実です。
合わせてコロナの影響のみならず「会社」も「人」も変わらざるを得ないと生きていけない時代になっています。

この2年間で我々を取り巻く環境は大きく変化しました。
45期の本決算については再来週以降の全体朝礼で改めて報告をさせていただきますが45期も最終的に利益を出す事が出来ました。
我々を取り巻く環境が大きく変わる厳しい年でありながらも何故、利益を確保する事が出来たのか?
・・・一時的な暫定処置としての対応・対策ではなくここ数年に渡りしっかりと事業構造・収益構造を変える地道な努力をして来たから・・・それ以外の何物でもありません。
受注のステージを変えたり・不採算商品の見直しをしたり・開発系・企画系の仕事を意識し「ものづくりの情報の上流」から受注し提供する努力と創意工夫をして来たからです。

どんなに出来ない理屈を並べてもお客様からのご要望に対応出来なければ次の注文には繋がりません。
実際に中小中堅企業の倒産理由の約70%は販売不振によるものです。
販売不振の大きな原因はお客様の不満です。

要は売れない・買ってもらえない・・・と言う事。
技術の質・製品の質・品質・サービスの質は当たり前ですがその他、この会社に頼みたい!
ここが他社との差別化になり・価値になる訳です。
この会社と仕事がしたい!と感じていただける会社の文化・風土・しっかりとした挨拶・
3Sの行き届いた職場・皆さんご自身が笑顔で働いている職場・皆さんが安心して働ける職場・それに伴った会社の制度や取り組みなど・・・会社で行っている一挙手一投足の全てがこの会社と仕事をしたい!・・・と言う思いに繋がる事を忘れてはイケませんよ。
やらせていただくのであれば気持ちよく・前向きにやらせていただいた方が頼む側は嬉しいしやり易い。
お願いし易い会社にはまたお願いしたい・・・と言う極めて単純且つ当たり前の理論で商売は成り立っています。
この当たり前の事が日頃より出来ているか?いないか?・・・で会社の成長は変わり皆さんの未来(収入・生活)は変わります。

浜野製作所、全てのスタッフがこの思いで日々の業務をしているのか?
・・・皆さんはどう思われますか?
皆さんご自身と皆さんのご家族の心と生活が豊かな人生を提供する場が浜野製作所です。
望んではおりませんがあえて厳しい言い回しをするのであれば共感が出来ないのであれば他のスタッフ・家族にも迷惑が掛かるのでそうでない組織で頑張った方が良い。
合わせて共感出来ても行動に移さなければやっていないのと同じです。

今期、46期の宣言は「ニュー浜野製作所EpisodeⅢ」「事を起こす!」です。
上記の意識・思いをどれだけ実行する事が出来るのか?・・・が
浜野製作所・スタッフの皆さんの未来を創る源泉として非常に重要になる事を改めて
皆さんにお伝えさせていただきます。

今年の十二支はうさぎ。
干支は「癸卯(みずのとう)」。
過去のことを細かく突き詰めていく、特にこれまでの3年くらいのことを立ち止まって精査するような年になる・・・と言う事です。
地味ですが重要な年だと思います。
「癸卯」(みずのとう)の「癸」(みず)は“水の陰の気”で、雨や清流をつかさどります。
最近の変化で砕け散ったものを含んだ濁流が、少しずつ濾過(ろか)されて、さまざまなものを洗い流し、清らかな水が新しい芽を育てるようなイメージです。
また、23年には、終わるもの、過去になるものがたくさんあるでしょう。
コロナ禍で始まった20年から、大きな時代の転換期が始まっています。これはまだ続きますが、23年はその方向性や形が少しずつ見えてくる年になるでしょう。

「癸」(みず)がつかさどる“雨”は小さな水滴ですが集まって清流を作り、大河の水源になります。
「卯」(とう・うさぎですね)も、一匹ではどう猛な動物にかないませんが、強い繁殖力で自然を生き抜きます。
取るに足らない一人の力や思いと思うかもしれませんが、自分の力とこれから訪れる暖かく豊かな“春”を信じて進んでほしい年です。


23年にやるべきことは、「整理整頓」と「学び」です。まず、「整理整頓」とは無用の長物を片付けることですが、ただそれが全部“無用”というのではなく、それを何かに利用するとか、次につなげるために変えていくとか、そのような形で整理していってください。整理整頓が大変だったら、誰かの力を借りるのもいいですね。物を破壊して新しくしていくというわけではなく、捨てればいいということでもなく、古いものをよみがえらせていくという形での整理整頓をしたほうがいいです。これは、誰にとっても良い事になると思います。

「学び」についてですが、どんな学びも一回見て学べるわけではなく、こつこつと積み重ねて身に付くものですよね。そういう意味で、「何かを積み重ねて身に付けていく」ことが今後、大きく時代が変わっていくときに自分の武器になり、自分の考え方の軸になっていきます。「自分でしっかり考えて学ぶ」ことがとても大事で、一人になっていろいろ学んだり、しっかり考えたりする時間も良い時間だと考えてください。

勉強する内容は何でもいいと思います。YouTubeでもサブスクでも学べるし、わざわざ学校に行かなくても学べる機会や環境が整っているので、それを利用してしっかり勉強し、自分の考え方で新しい時代を迎える。それが24年以降への準備だと思います。

そして今年の干支は兔(うさぎ)。跳ねるというイメージがあり、景気は上向き、回復する。株式市場にとっても縁起の良い年とされますが2023年は別・・・。
12年前の卯年は2011年。
3/11は東日本大震災があった年がうさぎ年でした。
なでしこジャパンがサッカーW杯優勝。
円ドル相場が歴史的円高を記録(10月31日)、75.54 円。
昨年、2022年の最安値が¥151台後半。
2023年1月2日が¥131。
昨年のほぼ半値、干支が一回りする間の急速に変化と展開が変っている・・・と言う事です

大きな変化、且つ先の見えない不透明な時代だからこそ我々、浜野製作所は何年も前から3つのテーマ・方向性を持って活動をしています。
1:ものづくりの情報の上流からコミットする
2:下請け体質からの脱却
3:社内外の強みとネットワークの活用

浜野製作所は単なる部品をつくる部品加工業・製造業ではなく多くの方々に弊社の取り組みや活動・考えに共感していただき人の役に立つ・社会課題を解決する・付加価値の高い・志の高いものづくりをする会社です。
合わせて額に汗して頑張ってくれるスタッフが豊かな生活を送れる会社にしなければなりません。
頑張った人が豊かになるシステム・仕組みをつくらないといけない。
頑張っている人・頑張っていない人も含めて皆、均等・・・と言うのはある意味不公平であると考えます。
また年齢や役職に拘らずやる気のあるスタッフが最前線で活躍出来る環境を作って行かなくてはなりません。

46年の長きに渡りものづくりの基盤技術・経験を積み重ねて来た弊社の強みを
社会の問題解決や世の中の役に立つ事が弊社の存在意義になります。
社会・世の中から必要とされる企業は永遠に生き残ります。
スタッフ全員の思いと力と努力と協力で存在意義のある会社にして行きましょう!

浜野製作所は
1:スタッフと家族が安定した生活と心豊かな人生を送るため
2:お客様に喜んでいただける志の高い最高のものづくりをするため
3:社会の課題を解決するために
存在する企業です。
皆がお互いに協力し切磋琢磨し笑顔あふれる日本一人間関係の良いキラキラした会社にしましょう!

この様な会社にする為には皆さんの毎日・毎日の心がけや思い・意識・協力が必要です。
誰かに任す・誰かがやってくれる・俺は知らない・やらない・・・ではなく自らが当事者・この思いを実現させる一員となって行動して下さい。
各人一人一人の心がけで会社の文化・風土・未来は変わりそして皆さんの将来が
変わります。
皆さん、お一人お一人が当事者として変化出来るか?
「事」を起こす事が出来るか?が問われる年が2023年であります。

以上、2023年の年頭所感と致します。


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