事の発端は、一昨年、代表の浜野が新潟県村上市主催のフォーラムで基調講演させていただいた際に、有志の方々が「ガレージスミダで村上の食の魅力を是非アピールしたい!」という熱烈オファーをくださったこと。それが実現し、今回のイベントを開催するに至りました。
お越しいただいたのは、村上市を代表する看板をお持ちの方々です。
- 新潟地酒・本格焼酎専門店 酒のかどや の代表取締役 岩田 孝義 氏
- 創業270年の老舗料亭 能登新の代表取締役 山貝 誠 氏
- 文政2年(1819年)創業の酒蔵 宮尾酒造の代表取締役であり、清酒専門評価者の資格も持つ 宮尾 佳明 氏
- 昭和20年に国が指導する企業整備令により村上管内の14の蔵元が合併して誕生した蔵元 大洋酒造 の益田 氏
- 大正13年に創業の総合建築会社 加藤組の代表取締役 加藤善典 氏
村上市は、新潟県の最北端に位置し、海・山・川・里に恵まれた知る人ぞ知る「食」の大変豊かな地域。日本一になった村上の黒毛和牛・特産品の塩引鮭・日本酒・コシヒカリなど、自然の恵みを存分に生かした食の“ものづくり“に取り組んでおられます。
美味しいものをつくるには、素材・調理法の研究が欠かせません。「どうしたらお客様が満足する以上のものをつくれるか」と考え、試行錯誤しながら工夫をし続けるのは、「食」でも「ものづくり」でも同じ。「知識や技術に貪欲であること」が、業界を問わず、職人に必要な資質であることを、洗練されたお料理を通して再認識することができました。
そして、そんな「創意工夫」の代表例が、「白皇鮃(はくおうひらめ)」。
岩船港支所 技術改良研究会 青年部の方が研究の末に会得した、鮃のうまみを引き出す「活け越し神経締め」という技術を用いて提供される鮃です。もちろん味は絶品です!
村上市の名産である「塩引鮭」も「どのような鮭」を「どのように調理するか」素材と料理法が定められており(村上では鮭の料理法が100を超えるといわれているそうです)、素材の良さを最大限に生かすために考え抜かれた、こだわりと旨味の塊のような食品です。加工技術が伝承され、各々の作り手の工夫が加わりながら、現代まで受け継がれています。
同じく地域を代表する食材である村上牛は、握り寿司にしてご提供いただきました。職人が工夫を凝らして素材を表現することで、食材の美味しさ以上の価値を産むことができることを実感。身近な行為である「食」を通してだからこそ、優れたものをつくり出すには、鍛錬が必要であることを思い知らされもします。
こうした人の心を動かす食を提供するまでに、どれほど多くの方々の努力が詰め込まれているかを想像すると、気が遠くなりそうでしたが、そうした点も、優れたものづくりに通じているような気がしました。
飲み物は、酒屋さんと酒蔵の方々、そして地元の企業さんが協力をし合って、料理に合うお酒を選定し、振る舞ってくださいました。
それにしても、試飲用のグラスの数の多いこと!
こうした食器も、新潟県村上市からご持参いただいたこだわりの品です。
そして今回、食材・お酒・酒器だけでなく、「お水」も村上市の名水を汲んでお持ちになるなど、村上市の皆様のこだわりは細部まで徹底していました。
こうしたひとつひとつの事柄から、「最上のものをつくる」ための姿勢を大いに学ばせていただきました。
当日は、多くのご来賓の皆様にお越しいただき、また新しいつながりのかたちがGarage Sumida 浜野製作所 から生まれたように思います。
料理にせよ、ものづくりにせよ、具現化することで生まれる「価値の提供」に挑戦し続けている限り、今後もこうした多様な方々との交流が生まれるのだと思います。
村上市の皆様、ご参加いただきました皆様、本当にありがとうございました。