山下「こんにちは。営業部・山下です。今回の「大地の叫び!」は、昨年オープンしたGarage Sumida(ガレージスミダ)特集です。Garage Sumida(ガレージスミダ)とは何かに関しては、こちらをご覧ください。
本日、ご紹介頂くのはGarage Sumida(ガレージスミダ)代表・小林さんです。」
小林「いつから代表になったんですか(笑)宜しくお願い致します。」
山下「さて、Garage Sumida(ガレージスミダ)にあるような3Dプリンターやレーザーカッター、CNC加工機等のデジタル工作機械を使って加工する技術を巷では“デジタルファブリケーション”という云うようですが、これまでに実際どういった事例があったのか教えていただけないですか?
営業的にはそれらの技術がどのように使われ、何をお客様にご紹介すれば良いか、いまいち正確に掴み切れていなくて・・・。」
小林「そうですねぇ・・・。これは非常に幅広い技術で、なかなか簡単にはまとめられないのですが、その中でも面白かった事例を1つご紹介しましょう。」
山下「これは自転車のサドルですか?? ガレージスミダではこんなものも作れるんですか?」
小林「こちらは昨秋、”国産の革サドルを復刻させよう”という浅草の革問屋・富田興業さんからの依頼を元に「Tokyo-L」というプロジェクトの1つとして作った試作品です。実際にお話をいただいてから試作品の完成まで2~3週間というタイトなスケジュールで行われました。
革のサドル部分は“革絞り”という技法を使っているのですが、この絞り型をCNC加工機を使って削り出しています。サドル裏側の固定パーツは時間の都合上、今回は3Dプリンターで製作しました。」
山下「こんな木型を使って革の成形が出来てしまうのは驚きですね。しかも微妙な曲線が美しい!」
小林「そうなんです。CNC加工機では、3Dデータを基に加工を行うのですが、今回はこのデータの作り方が重要なんです。詳しい方法は企業秘密にしますが、この安価な3Dスキャナーを活用して、いわゆる「リバースエンジニアリング」を行っています。これまでは、リバースエンジニアリングというと、高性能なスキャナーやモデリングソフトで物凄い労力を掛けてデータを作ることが必要だと思っていたのですが、その固定観念が見事に覆りました。」
山下「なるほど!つまり、従来相当の手間隙が掛かっていた精巧なモデリングから成形までの工程がかなり短縮できたということですね。」
小林「そうなんです。これは非常に大きな発見でした。しかもかなりリーズナブルな機材の組み合わせで実現可能なのです。
これに味をしめ、金型を製作する際の型合わせにも応用し、従来では成形が難しかった3次元形状の製品にもトライしています。お客様の都合上、写真はお見せできないのが残念ですが・・・。」
山下「確かに3DプリンターやCNC加工機で簡単に実際の製品形状を確認してから、金型を作れるのは大きなメリットですね。
今回は、現物から3Dデータ作成、成形までのリバースエンジニアリングの可能性や金型製作への応用など弊社でのデジタルファブリケーションについて私も非常に勉強になりました。ありがとうございます。」
小林「この他にもガレージスミダにはご紹介したい面白い事例やプロジェクトがまだたくさんありますので、また次の機会によろしくお願いします!」
山下「かしこまりました!今後も「大地の叫び!」ではGarage Sumida(ガレージスミダ)の動向を追ってまいりますので乞うご期待ください!」