2014年9月13日、日本大学芸術学部のインターン生・杉原さん主催「下町から考える、ものづくりのこれから」トークセッションイベントを開催いたしました。
イベント開催にあたって
今、下町の町工場が盛り上がっています。クライアントへの柔軟な対応力、工場見学をはじめ外部へ向けた積極的な宣伝活動、社員の少人数性を活かした連携作業、社内の活気、そして何より社長の “熱” を強く感じる事が出来、日本の底力が発揮されていると感じます。
一方で、ものづくりの新たな動きであるデジタルファブリケーション(3Dプリンタなどのデジタル工作機械によるデザイン・ものづくり)の一般化が進み、「Fabrication(ものづくり)」「Fabulous(素晴らしい)」という2つの意味が込められている「Fab」という言葉が生まれ、ツールを使った制作を通して誰もが「欲しい」をつくることが出来るようになりました。そんな流れをきっかけに、今までものづくりを担っていたデザイン専門職の役割についても変容の時をむかえています。ジャンルや形状に留まらず、物事を本質的に捉える「目」が求められているのではないでしょうか。
株式会社浜野製作所の新事業「Garage Sumida」は3Dプリンター等のデジタル工作機器を備え、「開かれたものづくりの拠点」を目指し2014年4月に新設されました。ものづくりに関する相談を受け付け、新しい事業やプロジェクトの支援をしながら様々なジャンルの方々と新しいものづくりをかたちにすべく活動を行っおり、「町工場」と「Fab」の両方の要素を持つ“実験工房”として注目を集めています。
そしてGarage Sumidaは今、支援を越え “新しい価値” をアイデアにし生産に向かうべく、「目」を持ったデザイナーを必要としています。これまで同じ行程の中で間接でしか関わる事の無かった立場の異なる人々が、結びつき互いに連携する時が来たのだと思います。
今回はGarage Sumidaと同じ墨田区にオフィスを構える、株式会社クルー・デザインディレクターの山崎信哉様を迎え、Garage Sumida 代表の小林亮様、Garage Sumidaと共に墨田区に拠点を置きものづくりとITの分野での新事業開発に取組んでおられる Desirepath 代表の野村岳史様と、「下町」から「新しい価値の創造、アイデア、ものづくり」について考えたいと思っています。
主催者の学生という立場から、登壇者へトピックを投げかけそれに答えて頂きながら会場全体で意見を交わし、意識を共有するきっかけの場になることを願っています。
主催者
浜野製作所 インターン生 杉原海帆 (日本大学藝術学部デザイン学科3年生)
登壇者
山崎信哉 氏
- 株式会社クルー デザインディレクター
- 日本大学藝術学部デザイン学科 非常勤講師
インダストリアルデザイナー/デザインディレクターならびに自社ブランド「48プロダクト」プロダクトマネージャー。中小企業を中心に商品開発活動の全般に渉ってデザインを活用する業務に従事する。機械工業デザイン賞、中小企業庁長官特別賞を含むGマーク選定商品多数。
小林亮 氏
- 株式会社浜野製作所 経理管理部
- Garage Sumida 運営責任者
世界的に新しいものづくりへの気運が高まる中で、モノづくりの町・墨田区ならではのチャレンジを仕掛け、培われて来た技術と化学反応を起こす企業や個人、行政や教育機関と触れ合うきっかけをつくり、そこから生まれた事業やプロジェクトを支援するべく、Garage Sumidaの運営を担当している。
野村岳史 氏
- 株式会社 Desirepath CEO
都内で最も町工場が集積したエリアの一つである墨田区に拠点を置き、高度な技術を持った日本の町工場と世界中の団体、企業、個人を繋ぐハブとしての施設”Garage Sumida”を運営しつつ、ものづくりとITの分野での新製品・新事業開発支援に取組んでいます。
お休みにもかかわらずご参加いただいた皆様、誠にありがとうございました!