参議院調査室作成「立法と調査 335号(平成24年12月3日)」における論文「東京における地域活性化の取組 -コミュニティの再生と伝統・文化の活用- 」に“Win-Win の連携で成長する中小企業-株式会社浜野製作所-”として弊社の取り組みが掲載されました。
参議院ホームページでも掲載内容を閲覧できます。
~以下、冒頭部分引用~
Win-Winの連携で成長する中小企業-株式会社浜野製作所-
我が国の中小製造業には、円高による海外の安価な製品との国際競争、原材料・燃料の高騰によるコスト増加及び親事業者11の海外への生産拠点移転による受注減少等の課題が
ある。このような状況下で、中小企業においては経営者の高齢化や後継者不足等の要因も
あり、廃業を選択する事業所も多い。
墨田区は河川の水運や労働力の供給といった条件により我が国における各種軽工業の発祥の地であり、現在でも工場数は東京 23 区内で大田区に次いで2番目に多い。墨田区の製造業は大部分が従業員 20 人以下の小規模企業12で、多様な業種から構成されており、自
区内就業率が高いという特徴を持つ。墨田区の製造業は減少傾向にあるため、墨田区は、区内の中小企業、特に製造業の活性化が区全体の活性化につながり重要であると考え、中小企業の支援に取り組んでいる。
墨田区にある株式会社浜野製作所(浜野社長)は金属加工業を営む中小企業である。浜
野製作所はプレス加工と板金加工の組合せにより、大手企業からの発注が多い短納期・多
品種少量の仕事を中心に受注し成長している。平成5年に従業員2名、取引先4社、売上
高約 5,000 万円であったものが、23 年には従業員 34 名(17 倍)、取引先約 400 社(約 100
倍)、売上高約5億円(約 10 倍)となっている。
浜野製作所は、近年短納期・多品種少量加工でも競争が生まれ、大手企業からの発注自
体も減少しつつあるため、金属加工のプロ集団として取引先へ設計・材料選定・組立て等
を含めた提案力とスピード対応を持った総合金属加工業を目指している。また異業種との
連携により従来の6倍の速度で解析できるDNA分析機器や東大阪市の中小企業との連携
による金属加工技術をいかした長時間発泡する入浴剤等のオリジナル製品も生み出した。
浜野製作所の取組は、従業員同士の連携を強めて共通の目標に向かうための仕組みを作
ること、産業資源である地域の各企業が持つ技術・ノウハウを連携し、協働することであ
る。
浜野製作所はこれらにより全従業員、各企業等から成る新しい形態のコミュニティを
作り、みんなで元気になることを目指している。以下、浜野製作所が進めている連携と協
働のきっかけとなった取組を紹介する。