セイコーミュージアム様所蔵の最古の機械式時計(西暦1500年頃の製造)を最新のファイバーレーザー溶接機を使って修復いたしました。

セイコーミュージアム様(所在地:東京都墨田区)に所蔵されている歴史的な機械式時計の修理・修復を弊社で承りました。

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今回修理を行った鉄枠塔時計。西暦1500年頃にイギリス製で製造されたもので、機械式時計としては最初期の部類に入るものです。イギリスではあのヘンリー8世が統治したころのものだと推測されます。シェイクスピアが生まれる少し前です(日本は室町時代)。

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機械式時計の心臓部である脱進機の部品です。真っ直ぐな棒に二つの小さなツメがついていますが、下のツメが取れてしまい、上のツメについても他のパーツ(ガンギ車)とぶつかる部分が磨り減って大きく抉れていました。

機械式時計から聞こえるカチカチという規則的な音は、このツメとガンギ車のぶつかる音で、根本的な原理は現在の機械式時計と同じです。ツメの磨り減り具合は、500年という時間を感じさせるのでした。

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上下双方のツメについて磨り減った部分を肉盛して均し、取れてしまった下のツメは丸棒でカシメ直してからファイバーレーザー溶接機で接合し、色調を周辺部に合わせる処理を行いました。

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パーツの素材は鉄系のものであることは間違いないのですが、何しろ数百年も前のものですので、炭素の含有量など、組成についてはっきりした事は分かりません。
作業は慎重を極めて進められました。

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今回使用したファイバーレーザー溶接機は接合部分だけをピンポイントに深く溶融することで周囲への熱影響を極力押さえることのできる最新鋭の溶接機で、溶接部の焼けもほとんどありません。繊細な製品にうってつけで、0.1mm厚の板や異材の接合にも使用できる優れものです。

今回の修理・修復を終え、鉄枠塔時計は無事動き出しました。
500年前の止まってしまった時が動き出したようで嬉しい限りです。
これからも末永く時を刻み続けて欲しいですね。


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